外壁塗装は住まいの印象を左右するだけでなく、建物を風雨や紫外線から守る大切な役割を担っています。しかし、経年によって少しずつ劣化が進行し、放置すると雨漏りや構造へのダメージに繋がることもあります。
この記事では、代表的な劣化症状とその見分け方、塗替えのタイミングを判断できる簡易診断をご紹介します。
1. 劣化症状からわかる、塗替えのサイン
● 塗料の剥がれ(はがれ)
外壁の塗膜が浮いていたり、ポロポロと剥がれていたりしませんか?これは、塗料の密着力が失われてきたサインです。主な原因は、紫外線や雨風による劣化、あるいは施工時の不具合です。放置すると下地がむき出しになり、水の浸入リスクが高まります。
簡易診断の方法:外壁を手で触ってみて、塗膜がパリパリと剥がれ落ちるようであれば、すぐに塗替えを検討しましょう。
● 塗料の膨れ(ふくれ)
表面に気泡のような膨らみが見られる場合、それは内部に湿気が溜まっている証拠かもしれません。下地と塗膜の間に水分が入り、膨らむことでこのような症状が現れます。
簡易診断の方法:目視で気泡やボコボコした部分がないかをチェック。
● チョーキング(白い粉が手につく)
外壁を手でこすったときに白い粉がつく現象が「チョーキング(白亜化)」です。これは塗料の樹脂が紫外線によって分解され、顔料が粉状になって表面に現れてくるものです。
簡易診断の方法:晴れた日に外壁を指で軽くなぞってみましょう。指先が白くなったら、塗料の防水効果が落ちてきているサインです。
● 汚れやコケ・カビの付着
外壁に黒ずみや緑色のコケ、黒カビが目立ってきたら、それは塗膜の防汚性能が低下している状態です。特に日当たりの悪い北側や湿気が多い場所に多く発生します。
簡易診断の方法:外壁の下部や日陰部分を確認しましょう。汚れやコケが目立つ場合、防水性が弱まってきているサインです。
● ひび割れ(クラック)
ヘアクラック(髪の毛ほどの細いひび)から、構造に影響を与える大きなクラックまでさまざまです。ひび割れは雨水の侵入経路になり、下地や構造を劣化させてしまう恐れがあります。
簡易診断の方法:外壁に縦や横の線が入っていないか確認しましょう。0.3mm以上の幅があるものは、早急な補修が必要です。
● サビの発生
金属部分に赤茶色のサビが出ている場合、それが外壁に流れシミのように残ることがあります。サビは金属の腐食が進んでいるサインで、外壁材にも悪影響を及ぼします。
簡易診断の方法:雨筋とともに赤い跡がついていないかをチェック。サビの原因となる金属部材の劣化が疑われます。
● シーリングの劣化(隙間やひび)
サイディングボードの継ぎ目に使われているシーリング材がひび割れていたり、硬化して縮んでいたりすると、雨水が内部に侵入する恐れがあります。特に新築から10年前後で症状が現れやすい部分です。
簡易診断の方法:指で軽く押してみて、硬くなっていたり、ひび割れていたりすれば塗替えのサインです。
2. 自分でチェックするためのセルフ診断リスト
以下のチェックリストを使って、ご自宅の外壁に当てはまる症状がないか確認してみましょう。
- 外壁に白い粉がつく(チョーキング)
- 表面に膨らみがある(膨れ)
- 外壁がポロポロ剥がれる(剥がれ)
- 黒ずみやコケがある(汚れ)
- シーリングにひびや隙間がある(シーリング劣化)
1つでも当てはまる場合は、そろそろ外壁塗装の検討を始めるタイミングです。
外壁塗装の劣化症状は、住まいからの「そろそろ塗替えをしてほしい」というサインです。劣化を放置すると工事費用がかさむだけでなく、建物の寿命そのものを縮めてしまいます。まずはこの記事を参考に簡単なセルフ診断を行い、気になる点があれば塗装専門店への相談を検討してみてください。
定期的なチェックとメンテナンスで、大切な住まいを長く美しく保ちましょう。