外壁塗装を検討している方にとって、「シーリング工事」は聞き慣れない言葉かもしれません。しかし、外壁の劣化を防ぐうえで非常に重要な工程です。この記事では、シーリング工事の基礎知識と外壁塗装における役割、そして注意すべきポイントについて、わかりやすく解説します。
このほか、シーリング工事がどのタイミングで行われるのかを把握することで、全体の工程をスムーズに理解できます。
▶【契約後に始まる外壁塗装工事の流れとは?】を読んで、工事の進み方をイメージしてみてください。
シーリング工事とは?
シーリングとは、建物の外壁の目地やサッシまわりなどにある隙間を、弾力性のある材料で埋める工事のことを指します。気密性や防水性を保つために欠かせない工程であり、特にサイディング外壁の住宅では必要不可欠です。
シーリング材には、ウレタンやシリコン、変性シリコンなど、さまざまな種類があります。それぞれの特徴に応じて適材適所で使い分けることが大切です。
外壁塗装におけるシーリングの役割
外壁塗装と聞くと、「壁に塗料を塗るだけ」と思われがちですが、実際は下地処理や補修も含めて初めて高品質な仕上がりが実現します。その中でもシーリング工事は、以下のような役割を果たします。
- 建物内部への雨水の侵入を防ぐ
- 外壁の伸縮や地震による動きに追従し、ひび割れを防ぐ
- 塗装後の美観を維持する
とくにサイディングボードの継ぎ目にあるシーリングが劣化すると、そこから水が入り込み、内部の木材や断熱材に悪影響を及ぼすおそれがあります。長期的に住まいを守るためにも、シーリングのメンテナンスは非常に重要です。
打ち替えと打ち増しの違い
シーリング工事には、「打ち替え」と「打ち増し」という2つの施工方法があります。
打ち替え
既存のシーリング材をすべて撤去し、新しいシーリング材を充填する方法です。耐久性が高く、長期的な保護を望む場合に適しています。ただし、費用と手間は打ち増しよりもかかります。
打ち増し
既存のシーリング材の上に、新しいシーリング材を重ねて充填する方法です。下地がそれほど傷んでいない場合に用いられますが、密着性や持ちにくさが劣るため、場合によっては打ち替えが望ましいこともあります。
シーリング工事で注意すべきポイント
シーリング工事を成功させるには、いくつかの注意点があります。
- 施工前の下地処理:古いシーリング材の撤去や清掃が不十分だと、新しいシーリングが密着しにくくなります。
- プライマーの使用:シーリング材の密着性を高めるためには、プライマーの塗布が欠かせません。
- 乾燥時間の確保:施工後はしっかりと乾燥させる必要があります。乾燥が不十分だと、シーリングの性能が発揮されません。
- 適切な材料選び:立地や外壁材の種類によって、適したシーリング材は異なります。プロの判断を仰ぎましょう。
外壁塗装におけるシーリング工事は、ただの「隙間埋め」ではありません。住まいの寿命を大きく左右する重要な工程です。見えない部分だからこそ、しっかりと施工されているかを確認し、信頼できる業者に依頼することが大切です。
これから外壁塗装をお考えの方は、ぜひシーリング工事の内容にも注目してみてください。塗装の美しさを長く保つためにも、見えない部分へのこだわりが成功のカギとなります。