今回はモニエル瓦の特徴についてお伝えします。塗装工事をする前に知っておくことで、業者選び、工事内容が妥当かどうかの判断の際に役に立つでしょう。
モニエル瓦とは?
主にヨーロッパで多く使われていたセメント瓦の一種です。日本でも1980年代に普及し、洋風の建物に広く使われオシャレでデザイン性のある瓦です。主な成分がセメントの為、もともとの素材に防水機能がない為、塗装で保護する必要があります。また現在は、日本では生産されていません。
●特徴
●劣化症状
●塗装メンテナンスの注意点
に分けてみていきましょう。
特徴
・表面に凹凸がありザラザラしている
・和瓦より軽量
・耐震性、断熱性、遮熱性に優れている
・デザイン性が高い
・塗装の際にはスラリー層という保護層を形成する必要がある
劣化症状
・カビや苔、藻が発生する
・ひび割れ
・瓦のずれ
・塗膜の剥がれ
・チョーキング
モニエル瓦の塗装メンテナンスの注意点
モニエル瓦の塗装時期の目安は10~15年だと言われます。モニエル瓦を塗装する際には、一般の瓦よりもしっかり高圧洗浄をすること、この時にスラリー層と言われる塗膜をしっかり取り除くことが重要です。スラリー層が残ったまま塗装をしてしまうと劣化したスラリー層と一緒に新しい塗膜も剥がれ落ちてしまいます。高圧洗浄で剥がしきれなかったスラリー層はケレン作業で取り除く必要があり、手間や負担がかかってしまいます。また、モニエル瓦には専用の下塗り材を使う必要があります。それ以外の下塗り材を使うと塗料の密着が悪く施工不良を起こしてしまいます。モニエル瓦は下塗り材の吸い込みが激しく、吸い込みが止まるまで2~3回塗り重ねなければならないという手間と費用がかかります。もし瓦自体が破損したり、欠落した場合には、新しい瓦が製造されていないため塗替えでは対応できず、屋根全体の葺き替えを検討しなければなりません。
もし、ご自宅にモニエル瓦を使用している際には、こまめな点検と定期的な塗替えをして劣化を防がなければなりません。